列車:シティー・オブ・ニューオリンズ(City of New Orleans)
区間:Memphis, TN - Chicago, IL
折角アメリカに住み始めたからには、何時かはAMTRAKに乗ってアメリカを体感したいと思い続け2005年のサンクスギビングにやっとそのチャンスが訪れました。 #58,#59列車「The City of New Orleans」Memphis, TN ⇔ Chicago, IL 往復乗車の感動をお伝えします。
テネシーの州都Nashvilleから西に約220マイル、車でぶっ飛ばす事約3時間ミシシッピ川の 大きな鉄橋を右に見送ってやって来ました Memphis Union Station、ダウンタウンのレストランはどこも ThanksGiving でお休み。 仕方なくGSのコンビニでサンドウィッチをほうばり24ozの缶ビールを片手に駅の待合室で列車到着1時間前から一人祝杯を上げる。
どうやら私を含め Chicago 行き#58列車に乗るのは3人らしい。 薄暗い待合室は時折会話が聞こえる以外至って静か・・本当にこの駅に AMTRAK が来るのだろうか。 そんな不安の中ゆっくり南方からあの顔が進入、何と定刻より30分も早いMemphis9:30PMの到着。 ディーゼルエンジンの小気味良い振動に誘われ、早速生AMTRAKとご対面。 機関車の面構えといい、オールダブルデッカーの客車編成といい迫力満点です。
しばらくすると給油トラックが機関車に横付けされ給油を開始、乗客もここで下車する人、タバコを吸う人、待合室以外からぞろぞろ大きなバゲッジを引っ張って乗り込む人、ちょっとした活気です。 そう駅には改札などなくチケットを客室アテンダントに直接客車の入り口で見せるだけで乗車OKです。 従って駐車場の車からドアツウドアで乗り込みが可能な訳です(チケットを持ってれば)。
アテンダントの指示に従い客室に入ると空いている席ならどこでもOK。 私の乗車したコーチは5,6人がバラバラに座っているだけ・・殆どが熟睡中何と静かな客室でしょう。 照明も薄暗く夜行列車にはもってこいの明るさです読書燈も付いており便利です。 ちなみにchicagoからの#59列車では、私はこの読書燈を壊してしまい?スィッチが切れず付きっ放し?アテンダントにお願いし席を変更してもらいました。
さて10:40pm定刻通り、殆ど発車のショックもなくゆっくり列車は動き出しました。私にとっては待ち焦がれた感動の一瞬です。 さっき見送ったミシシッピ川の鉄橋のイルミネーションがとりわけ美しく Memphis の夜景をしばらく楽しんだかと思うとあとは真っ暗闇。 20分位ノロノロ運転が続きこんな調子で Chicago まで走るんかいな、と思いきやちょっとしたジャンクションを通過すると糸が切れた様に飛ばします。
ほーコイツ結構飛ばしよるなと感動しつつテネシー州もう一つの駅に到着です。 夜中の12時過ぎと言うのに数名が乗車し、次の Fulton,KY では駅情報でみた写真通りのポツンとしたコンテナ駅舎にもかかわれず10人位乗り込んできます。 Fulton 以降寝ていたのですが、やけに騒々しい駅に到着、丁度朝6時ですから恐らく Champaign-Urbana,IL 駅です。
外には何と改札待ちの行列が出来ています。出発が近づくとゲートを開けなだれの様に#58列車に乗り込みます。 もういつの間にかコーチは満席、私の隣にも高校生らしき青年が座りました、結局この状態が終点 Chicago まで続き AMTRAK の人気、活気にびっくりするばかりでした。 後でよくよく考えると ThanksGiving 明けのバーゲンを狙ったシカゴ行きの買い物客??の様に思います(勝手な想像です)。
朝メシでもと思い食堂車に行くには贅沢、よってラウンジカーの一階にある売店で何か食べるものがあるか聞いたら、 全然商売する気が無いような返答だったので コーヒーを注文し、2階の展望ラウンジで朝景色を楽しみながらコーヒーをすすりました。 朝日の中、中西部の大地を見ながらのコーヒー!実感AMTRAKの一瞬です。
そうこうする内、Chicago の高層ビルが彼方に見え始め、併走の Metra は何と電化、しかも複線 Chicago が近づくと複々線とかにもなってJRの国電区間さながらです。 しかし電車ではなく、機関車で客車を引っ張るのがいかにもアメリカ的です。
さて UnionStation に進入すると思いきやオーバークロスし Metra の駅で停止、スイッチバック状態で Chicago Union Station に到着、これで後尾の客車を頭に行き止まりの駅に停車する事が出来る訳です。 予定より30分早いAM8:30の到着、うわさに聞いた話と大違い。 私に取ってはとても快適でリーズナブルな乗り物でした。 Memphis ⇒ Chicago520マイル(832km)を約10時間、これならひょっとしてJRのブルトレなどより俊足では、とふと思ってしましました。
帰りの#59も快適そのもの約40分も Chicago を遅発したにもかかわらず Memphis には定刻の朝6時きっかりに到着、途中遅れを取り戻す為、相当がんばったみたいです。 珍しい事かどうかはよく判りませんが、定時運行に対するの意地みたいなものをAMTRAKに感じてしまいました。
どなたかのコメントで Memphis ⇔ Chicago 間は時間設定が良く、航空機に対抗出来るのでは?と書いておられましたが、本当にその通りだと思います。 機会があればまたこれに乗車してみたいと思います。