列車:エンパイアー・ビルダー(Empire Builder)
区間:Seattle, WA - Chicago, IL
2003年にシアトルからシカゴまで乗ったときの記録。
スタバばっかりあるのかと思っていたら、そうでもなかったシアトル。
路面電車がのどかに走っていたり、市場で日本みたいに魚が売られていたりして、大都市を感じさせない魅力があります。
シアトルの印象は本当に日本人が多いなぁ?!だった。あとで知ったのだけど、前日にシアトル・マリナーズとニューヨーク・ヤンキースの試合があったそうで。イチロー対マツイの試合を見にきてた方も多かったようです。 しかもマリナーズが本拠地を置くセーフコフィールドはアムトラックの駅のすぐ近くです。衛生写真でどうぞ。
Empire
Builder は西海岸にシアトルとポートランドという2つの出発駅がある。途中の Sporkane, WA で2つの編成が連結してシカゴまで向かいます。今回はシアトルからの乗車で発車は4:45pm。シアトルの街を歩き回って、早めに駅に行くことに。
駅へ着くと、Empire Builder に乗るんだぁと思われる人が何人もいた。 家族連れが枕とか毛布とか、おいおい引っ越しですか?と突っ込みたくなるくらい荷物を持っていたりした。
ベンチで待っていると、突然、いや本当に突然でびっくりした。 「日本人?!日本人?!」って目の前で言われて、本当にびっくりした。しかも思いっきり関西弁。一見、ヒップホップ系のファッションをした兄ちゃんで、思いっきりお前も日本人だろってまたまた突っ込むところだった。「いやっ?、日本人に会いたかったー!」ってどこの人やねんな!ってこっちまで関西弁になりそうなノリ。同じく Empire Builder に乗るそうで、席もこっちと同じコーチ。なぜか意気投合してシカゴまで一緒に行く事に。旅に出会いはつきものだし、ずっと一人よか楽しいだろってことで。
そんなこんなで、この日本人君と一緒に行くことに。思ったよりも乗る人は少なく、コーチはけっこう空いていた。席は自由で、適当に座ってよいとのことだった。通路を挟んだ席に、またもや日本人らしき人。今日はいったい。。目があったので、挨拶をする。そしたら韓国から来た方でした。
でも日本人と言われても分からないくらい、日本語上手です。
右の写真は海岸線を走っているところ。砂浜を走っているんじゃないのかっていうくらい海に近いです。
シアトルを出発すると、まずは北上し海岸線を走っていきます。5月というのに山には雪が残っていました。スカイコミッシュ川沿いを走り、トンネルも多い路線です。木の枝が列車にバゴバゴ当たってくるのが音でよくわかりました。列車がそれほど走らないから植物も伸び放題なんですね、きっと。それにしても緯度が高いせいか、夜になってもなかなか暗くなりません。車窓が楽しめるから、いいことなんですけどね。
最初に書いた通り、Empire
Builder のシカゴ行きはシアトル発とポートランド発があります。どちらも4:45pm発で、途中の Spokane,
Wa で連結します。時刻表通りならポートランド発が12:13am着でシアトル発が12:32am着となっていましたが、ポートランドからの列車は遅れていたようで、こちらのシアトル発が先に着きました。ここを出発するのが、予定では1:15amなので、1時間くらいの休憩になります。*列車の時刻は2003年当時のものです。
遅れていたポートランドからの列車を待つのと、連結やらで時間がかかるので、停車時間がだいぶあるとのこと。
ということで、日本人君と駅の中を探索開始。
階段を降り、駅舎の中へ行くと真夜中なのにけっこう人がいる。
と、いきなり日本語が大量に聞こえてきた。これは。。重なるときはホント重なるもので。
日本の大学からこっちに1年間留学中という学生が10人とまではいかないけど、たくさんいた。
話を聞くと、グレイハウンドでシアトルまで遊びにいくとのこと。
海外で、日本人だけで集るのは好きじゃないけど、まぁたまにはいいか。
夜が明けると、列車はモンタナ州を走っていた。
White Fish Lake という湖沿いを走っていく。
景色が湖面にそのまま反射していた。
大自然という言葉がぴったりくるモンタナを走るアムトラックは Empire Builder だけ。
モンタナに入ると 全長7マイルもの長さがある Flathead トンネルを通る。
このトンネルを過ぎるとロッジ風の駅舎が印象的な White Fish 駅に到着する。
ここでは降りる人が多い。
モンタナにはちょっと変わった駅があります。
この駅はホームというものはなく、ただ1軒のとあるホテルのためだけにある駅。
ホテルの名前は Izaak Walton Inn といい、もともと鉄道関係の建物だったものです。
駅としては、"Flag Stop"と呼ばれるもので、"flag=旗,旗で合図する"という意味で、この合図がないと停まりませんよ。
ということなのです。ですので、この駅では乗る人か降りる人がいないと列車は停まりません。
Essex を出て、 East Glacier Park 駅に着いたことには、すっかり雪景色になっていました。
5月でもこれだけ吹雪いてるのだから、冬期は閉鎖されるというのも納得です。
駅名の通りこの辺りがグレーシャー国立公園の東端になります。
地図で見るとよくわかりますが、列車は Belton-West Glacier ? East Glacier まで公園の南端に沿って
走ってきました。国立公園の中を走るわけではないのだ。。
モンタナのちょうど真ん中に Havre という町があります。
この駅で列車はすこし休憩します。
ホームに出て、駅の外にもちょっと出てみました。
そろそろかなぁとホームに戻ったとき事件は起こりました。。
突然「○○を知ってるか?」と警官らしき人物に声をかけられたのです。
○○というのは、例の日本人君の名前でした。
ここから数分、質問攻めに会います。
「どっから来たの?」「どこに行くの?」「○○とはどういう関係だ?」
「職業は?」「アメリカでなにしてるの?」
ざっとこんな感じでした。
簡単に話して、怪しいもんじゃないことが分かってもらえると、
その人物は「じゃあ旅を楽しんで」だかそんなこと言って、笑顔で去っていきました。
列車に戻ると、日本人君が最初に車内で職務質問(?)をされたとのこと。
そのあと、周りのお客さんが心配して、いろいろ声をかけてくれたのでありました。
ノースダコタ、ミネソタはそれほど特徴のある景色もなく、平地をずーっとただ走っていきます。
車内の生活に飽き初めていたころ、天気は悪化しており、雷をともなう豪雨になってきました。
列車がミネアポリスに近づいたころ、アナウンスがありました。
内容は、いつもの線路が使えないから、遠回りをする、といったものでした。
ここから1時間くらい、列車は進んだり、戻ったり、停まったり、例のごとくさまよい始めました。
大都市周辺でよくあるパターンです。ようやく駅につくと、雨も上がっていました。
ミルウォーキーを過ぎると列車はミシガン湖に沿って走って行きます。
車窓からだんだんシカゴの高層ビルが見えてくると、もうすぐこの列車ともお別れだなぁ、と思ってしまいます。
大きな遅れもなく、良かったのですが、後半の車窓が平凡すぎたかもしれません。
次は夏にモンタナで途中下車かな。