列車:エンパイアー・ビルダー(Empire Builder)
区間:Chicago Union Station, IL - Wenatchee, WA
© MIKITO
2009年2月19日、シカゴユニオンステーションから、ワシントン州ウェナチーに向けて、エンパイアービルダーに乗車した。
Roomettesと呼ばれる2人用寝台個室を予約していたため、シカゴでは発車まで、飛行場のビジネス、ファーストクラス用待合室に似たラウンジを利用できた。
乗車は、Disable persons (障害者)、寝台利用者、コーチ利用者の順番に行われた。 私の部屋は732号車だったが、ここの乗車口は乗務員専用なため、隣の730号車から乗ることになった。
1階の荷物置き場に大きなバックを置いて、2階に上がってから、732号車2階20号室の私の部屋に入った。 アムトラックの2階建て車両は、2階でしか隣の車両に移れないのである。
ルーメットはトイレ、洗面台等がない寝台個室で、アメニティーがもっと充実しているベッドルームより、値段が安い。 私が乗車した日で、ルーメット215ドル(2泊)に対し、ベッドルーム700ドル(同2泊)ぐらいであった。
日本の寝台個室より広く、また揺れも少なく感じて快適だったが、エアコンの風量調整ができないので注意したい。 乾燥が苦手な私は、部屋に備えられていたタオルを、いくつか吹き出し口に突っ込んでおいた。 それでも、就寝時はのどが乾燥するので、持ってきていたポータブル加湿器を利用した。 (お薦め、http://www.airoswiss.net/info/ultrasonics/7146.aspx)
列車は、午後2時15分にシカゴを出発し、ミルウォーキー、ミネアポリスを過ぎた頃には夜11時近かった。
翌朝、朝食で相席になった老年のカップルは、モンタナのESSEXにクロスカントリースキーを楽しみに行くそうであった。 この駅は冬季の、スキーシーズンのみの停車駅である。 男性のほうと私は、列車でクロスカントリースキーをしに行くのと、フライフィッシングが趣味ということで意気投合した。
列車は、午前中ノースダコタ州を走り、午後にはモンタナ州に入った。 標高は上がって行っているのだが、ノースダコタからモンタナにかけては雪の量は減っていった。 車窓からは時折、高地でよくみられるような鹿に似た動物の群れが見られた。昼食で席をともにした人は、Deer (鹿)の群れだと言っていたが、鹿ではなかった。
夕食では、興味深いことがあった。 相席の人と私が、ウェイトレスに、なぜこの列車は駅に入る前によく小休止するのかを聞いたら、知らないというのである。
また、私の部屋の担当の乗務員も、車窓から見える景色の説明はしたくないと言っており、アメリカ人というのは、自分の担当する職務に直接関係のないことには関わりたくない人が多いようである。 2人ともアムトラック歴20年以上のベテランである。
2月21日、車中2泊してワシントン州ウェナチーに朝5時50分に到着した。ほぼ定時通りであった。ここからは、レンタカーでスキー場へ向かった。 アメリカでも有名なクロカンリゾートのようである。
列車は、昨夜ESSEXあたりで多く乗せたのか、比較的盛況な中、シアトルに向かって残り5時間の旅に出て行った。